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2001年10月15日 (月)

『きんいろのとけい』

片山令子・文   柳生まち子・絵  クレヨンハウス


柳生まち子さんの描く絵が好きだ。
もし自分がイラストレーターになることができていたら、
彼女のような絵を描いてみたかったなぁ、と思うほど。
そのままan・anなどのファッション雑誌に置き換えても
何ら違和感の無い、ハイセンスなイラスト。
背景や小道具も凝っていて、主人公たちの洋服もオシャレ。
水彩画の明るめの色使いが、見てて元気になるし、
特に印象的なのが肌色!
柳生さんの、もしかしたら1番得意な色かな?、と
密かに思っている。

この絵本、図書館で見つけた時、
本を抱えて小躍りしてしまった。
今春のこどものとも『3びきねこさん と さくらんぼさん』から、
彼女の未読の絵本には、めぐり会えていなかった。
これは、片山令子さんの文。なんとも期待のコンビではないか。

表紙は、虫かごと水筒をタスキ掛けにした女の子が、
こっちを見て立っている。
しかし、お話を読み始めて、
これが男の子だと判って、ちょっとびっくり。
つまり、主人公は、
男の子でも女の子でもどっちでも構わない、と言うことなんだろう。

その子が、おじいさんから貰い受けた
きんいろの懐中時計を携えて、
森へ遊びに出かけたところから物語は始る。
ふとしたことで、
その子が懐中時計を森に落としてしまった。
最初にその時計を見つけたのはクマ。
クマはドロップの匂いが付いたその時計を、
何かの果物だろうと想像する。
そこへ来たのがウサギ。
ウサギは、時計のコチコチいう音を聞いて、
これは何かの生き物の赤ちゃんに違いない、と
時計のために草のベッドを作ってやる。
最後に登場するのがフクロウ先生。
彼は、草のベッドに置かれたきん色の懐中時計を見て、
これは鳥の卵だから、温めてやらねば、と
時計の上に座ってやる。
そこへ、持ち主のこどもがやって来て・・・。

こんなふうに、1つの物から
いろんな想像の翼を広げられるのは、やはり
こどもの特権だよね。

時計という、
大人からは判りきった、何の変哲も無い物でも、
子どもには、いろんな角度から分解できてしまう才能がある。

本の奥付に、片山さんが
このおはなしを作るきっかけになった、
ある逸話をしたためられている。
こんな何気ないことから物語を作ってしまう作家さんって、
やっぱり子ども側の人なんだろうなぁ。

そうそう、
柳生さん、どうも江國さんと仕事をされているらしい。
要チェック!

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