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2001年10月23日 (火)

『とべ、カエル、とべ!』

ロバート・カラン 文  バイロン・バートン 絵   評論社


わたしが通った幼稚園は、仏教系だった。
つまり園舎の隣にお寺があったということ。
お寺の暗いお堂の中は、
目を合わすのも憚られるような大きな仏像や、
蓮の飾り、彫刻があり、
子供のわたしにとって、入室する際には
見るのが怖いような、でも好奇心はいっぱいだったような、
不思議な場所だった。

そしてわたしは、『とべ、カエル、とべ!』を手にしたとき、
なんだかあのお堂の暗闇の中に
タイムスリップしたような気になったのだ。
日本的なものとは異なる、アジアンテイストの匂い。

バイロン・バートンの絵は、
わたしには、デザイナー的な、記号化されたイラスト、
というイメージしかなかった。
しかし、この絵本のイラストは、
あきらかに、そういったイメージと一線を隔す。
登場する動物たちの目に、意思が宿っているのだ。
ヘビやカメには、眉毛さえ加えられ、意思の確かさを強調している。
バートンの描く、まるでレゴ人形のような表情は、そこには無い。

この絵本の舞台は、小さな池。蓮の花が咲いている。
そこに、水からトンボが上がってきて、
それをカエルが跳んでパクッ!
トンボを食べたカエルは、
今度は逆に次から次に動物たちから狙われる側となる。
サカナ、ヘビ、カメ、そして少年たち・・・。
カエルは逃げきれるのか。そして結末は意外にも・・・。

この絵本のもう1つの楽しみは、
文章が言葉あそびになっているところ。
まるで、『これはのみのぴこ』のように、
前出の動物の形容詞が、次にも繋がって再び形容詞に加わっていく。
聞いている子ども達は、
そのクドイほどの連続性に、きっとご機嫌になるだろう。
そして、読み終えたあと、
しばらく「とべ、カエル、とべ!」というフレーズが、
こどもたちの口癖になること請け合います!

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