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2001年10月14日 (日)

『絵本画家の日記』

長 新太    ブックローン出版


すでに廃刊となった、絵本情報誌『Pee Boo』に掲載されていた長さんのエッセイを集めたもの。
それにしても、長さんの危機感は凄まじい。
最近の絵本をめぐる出版事情や作家達の姿勢に対して、
これでもか、これでもかと、石つぶてを投げてくる。

皮肉な事に、この絵本をめぐる世界が厳しいのは、
『Pee Bee』が廃刊になったことだけでも
すでに証明されてしまっている。

この絵本(と呼べるのか)の凄さは、
長さんの視線を体験できるところかな。
長さんの作品ならいくらでも見ることが出来るけど、
長さんという人が、何を見ているか視線の行方を、
この日記を読むことで、体感できる。

そうか・・・。長さんもいろんな作家さんのことを
普通に意識していたんだ。
長さんがそんな、
才能や名声、収入といった物欲・煩悩も
持て余した一絵描きだったなんて、
あの全てを悟ったような外見からは
窺い知る事も出来なかった。
それが何だか可笑しいような、哀しいような・・・。

わたしの1番好きなページ。
おやつにジャムパン(JAMPAN)を食べたら、
袋の文字が(JAPAN)に見えて、
今の日本の絵本が、
JAMPANのようにふわふわで甘いだけのものになってやしないかと、結びつけていくページ。

長さんは、JAMPANの袋に
「品質に万全を期している」という但し書きを見つけて、
果たしてそんな出版社があるのか!?と
疑問を呈するが、事態はもっと深刻なのかもしれない。

チョーさん、もっと、もっと
石つぶて、投げて行ってちょうだいね。
(チョーさん風、言い回し)

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