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2001年10月16日 (火)

『小さな恋』

エルズビエタ 作   宝島社


先週この大型絵本を図書館のカウンターに持っていった時
司書さんが、いきなり
「あぁこの本も、あなたが借りてくれて喜んでるわ。」
と言われた。
何のことかと思ったら、この本が図書館に蔵書されてから
わたしが二人目の貸し出しの上、
前回からすでに5年の月日が流れている事が、
貸し出しカードに押された日付で判った。

なんと長い月日、本棚の中で待っていたことか!
そう思うと、けなげでいとおしく思えて来るから不思議だ。
さっそく家に連れて帰り、我が家の居間の書棚に迎え入れる。

わたしはこの絵本が図書館にあることは
以前から気付いてはいた。
ただ『小さな恋』という題名が、
幼い子ども達に読んでやるには、
なんだかふさわしい本ではないような気がして、
ずっと手に取ることがなかったのだ。

物語は、南フランスの小さな海辺の街が舞台。
毎日、浜辺で釣り糸を垂れる少年。
彼は人魚が釣りたかった。
そして、そんな彼を好きな1人の少女。
少年は人魚に夢中で、少女の方を振り向く事が無い。
2人にとってソーダ水のように淡い夏は
やがて終わって、離れ離れとなる。
そして年月は流れて・・・。

まるでフランス映画のように、
多くを語らず、淡々と2人の時間は流れて行く。
ページをめくるたびに、
浜に打ち寄せる波の音や、潮の香りが漂ってきそうな
シンプルな絵。
読む人の想像力によって、どうにでも背景が描けるのだ。

こう言うのってなんと言う技法か、
う~ん、バーニンガムの『くものこどもたち』みたいに、
背景の上に、別の描いた人物を張り合わせたのだろうか。
人物や1部の小道具だけが、
殆ど何も描かれていない自然素材の背景の上で
ちょっと浮き上がったように、でも絵としては馴染んでいる。

実は、わたしはこのエンディングは、好みではない。
なんで、こんな取って付けたような終わり方に
しっちゃったんだろう。
やはり、絵本だから?
でも、これが好き!という人の方が多いかもしれないなぁ。

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