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2003年10月 6日 (月)

 『ペピーノ』


ペピーノ
『ペピーノ』   朔北社 
リンデルト・クロムハウト/文   ヤン・ユッテ/絵   野坂悦子/訳

久々に素晴らしい本に出会えました。こういう出会いがあるから、絵本や児童書はやめられません。
両親から捨てられたペピーノは、サーカスでクマの着ぐるみを着て、クマになりきって芸をして生きてきました。クマのペピーノはどこで興行しても人気者でしたが、人間であるペピーノは他の誰かのふりをして暮らすことにうんざりするようになりました。そこである晩サーカスを抜け出し、クマの皮を脱いで一人で生きていくことにしました。ところが偶然泊まった空家で1頭のクマと出会ってしまったことで、ペピーノの運命は大きく変わって行きます・・・。
読み進むに連れて、先が読めてきて、「もしかしたら・・・」と、話の展開に嫌な予感がしたんですが、安心しました。とても納得行く結末です。ペピーノの孤独と、ジレンマと、そして愛を求める気持ちの深さに泣けてきました。
また、文章と同じくらい絵も素晴らしいです。どこかしらとぼけたクマの表情に、シンプルな線画と色鉛筆で薄く色を付けた程度の地味な絵なんですが、この作品には素晴らしく合っています。文と絵、どちらも相手の味を上手く引き出してやっています。
秋はこういう本を誰かにプレゼントしたいものです。いや、プレゼントされたい、かな。

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 クマの皮をかぶった少年。 サーカスでクマの芸をしていた少年、ペピーノ。 だれかのフリをするのがいやになって、サーカスを抜け出します。古い家をみつけて眠りにつき、目を覚ましたら、となりには本物のクマ?寒いので着ていた熊の皮のせいで、仲間だと思われてるみたい... [続きを読む]

受信: 2005年6月28日 (火) 22:28

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