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2004年4月27日 (火)

おぼえていろよ おおきな木


おぼえていろよ おおきな木
佐野洋子 作・絵  講談社

おじさんの家のそばには大きな木が生えていて、おじさんは、その木のおかげで被る些細な被害(鳥が来てうるさいとか、糞を落とすとか)に腹を立て、ついには大きな木を切り倒してしまいます。ところがいざ木を失なってしまうと、初めて、大きな木がいかに自分にとって大切なものだったのかに気付くのでした。

わたしは、おじさんが木を切り倒してしまったあと、自分の浅はかさが招いてしまった喪失感を一生抱えて生きていけばいいんだ、ってちょっと意地悪く思ってしまった。だって、いい大人なんだもの、自分のしたことにやっぱり責任取らなくっちゃ。意固地にずっと「大きな木」を目の仇にしてきたから、そういう目に遭うんだよ、って。でもやがて切り株から新しい命が生まれて来るんですよねえ。佐野さん、優しいなあ、こんな結末にするなんて。実際、自然の懐の深さっていうのは、人間の喜怒哀楽なんて次元を遥かに超えてしまうものなんだろうな。
佐野さんの絵って、取り繕ってないところが大好きです。大人の味、っていうのかな、甘ったるくないの。

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