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2005年5月13日 (金)

「うたいましょうおどりましょう」

うたいましょうおどりましょうベラ・B・ウィリアムズ 作・絵   佐野洋子 訳
いま、おばあちゃんは病気で、寝たきりです。学校から帰ると、わたしもすぐにおばあちゃんのところへ行って、「なにかすることある?」と尋ねます。けれどもどうしても病気の治療にはお金がかかってしまい、お母さんもそのために働き詰でした。どうしたらおばあちゃんのためにお金が稼げるのか、友達のレオラとジェニーとメイと一緒に考えて、みんなでおばあちゃんのために音楽会を催すことを思いつきました。欲しくて欲しくてようやく買ってもらったアコーデイオンをわたしが弾き、レオラが太鼓、メイはフルート、ジェニーがバイオリンを弾いて、小さなバンドを結成し、仕事を募ったのでした。そして、とうとう初めての依頼がきて・・・。
かあさんのいす 』『 ほんとにほんとにほしいもの 』に続く、下町で女ばかり三人暮らしの一家が力を合わせて生きる様子を描いたロングセラー3部作です。この3部作を読んで、 わたしの1番の印象は、『母性』を描いた作品だなぁということ。ベラ・B・ウイリアムズの水彩画は、輪郭を大げさなまでに滲ませることで、互いの境界線 を曖昧にし、まるで何もかもを包み込んでしまうような包容力を感じさせます。また、派手とも言えるような華やかで陽気な色彩は、まさに、幼い頃の母の思い出のような懐かしさ に通じるのです。この3部作は、そういう意味で「母性」を内包したシリーズだとわたしは思っています。きっと、訳を佐野洋子さんが担当なさっていることも、「母性」の印象を強くする大きな要因になっている のでしょうね。 家族のきづな、親子愛、自立心、友情、いろんな感情が主人公を1歩づつ1歩づつ成長させていきます。主人公達の小さなバンドが無事パーティーでの演奏を成功させて世代を越えて皆がダンスを踊るシーンは、なんだか大らかなイタリア映画をみているようで、大好きな場面です。

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