« 「うたいましょうおどりましょう」 | トップページ | 「おじいさんのハーモニカ」 »

2005年5月13日 (金)

「ふしぎなバイオリン」

ふしぎなバイオリンクエンティン・ブレイク 文・絵    谷川俊太郎 訳
ある日、パトリックはバイオリンを買いに町に出かけました。露天はいろんなお店がいっぱい並んでいてとても面白そうでしたが、パトリックが目指したのは、真っ直ぐオニオンズさんの店。そこは誰も欲しがらないガラクタがいっぱい並んでいます。パトリックはその店で、ちょうどいっちょうあったバイオリンを、なけなしの銀貨で買いました。ところが、パトリックが喜び勇んでそのバイオリンを弾き始めると、なんと次から次へと不思議なことが起こりが始めて・・・。
原題が「PATRICK」とあるように、もしかしたら不思議なのはバイオリンではなくパトリック本人だったのかもしれない、そんな印象を抱かせる物語です。彼がバイオリンを奏でるたびに、魚が空を飛んだり、りんごの木にお菓子やアイスクリームが なったり、病気の男の人が元気になったりしますが、そういう魔法みたいなことも、パトリックにかかるとしごく当たり前のような気がしてくるのは、やはりブレイクの絵のなせる技でしょう。ブレイクの描く主人公はいつもどこか 、何ものにも囚われない 吟遊詩人みたいな肩の力の抜けた自由奔放さを感じさせます。わたしはパトリックの風貌から、ほんのちょっと『ムーミン』のスナフキンを連想してしまいました。(笑)  またこの作品のもう1つの見どころは、その色遣いです。もしパトリックが奏でるメロディが目に見えるとしたら、きっとこんなに、カラフルで楽しげな色が溢れていることでしょう。ページをめくるたびに、子どもたちの笑い声が聞こえて来そうな、そんな幸福な1冊です。

|

« 「うたいましょうおどりましょう」 | トップページ | 「おじいさんのハーモニカ」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6605/4107492

この記事へのトラックバック一覧です: 「ふしぎなバイオリン」:

« 「うたいましょうおどりましょう」 | トップページ | 「おじいさんのハーモニカ」 »