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2006年2月16日 (木)

わたしのおふねマギーB

わたしのおふねマギーBアイリーン・ハース 作  内田莉莎子 訳
クェンティン・ブレイクの『みどりの船』の感想を書いてたら、どうしてもこの絵本の感想も書いておきたくなりました。2つの作品に共通するのは「船」。どうして絵本にはこうも「船」が似合うんでしょうか。 それも「空想の船」が。鉄道や飛行機、自動車といった数ある乗り物の中で最もロマンティックなのが船だと思うんです。なにしろこの気忙しい時代において船ほど時間を気にせず旅できるものはありません。ある意味、とても贅沢な乗り物だと言えます。また、道路や線路・滑走路といった人口の道の上も走らない。水の上という自然任せなところも想像を駆り立てられる。そんなわけで、船繋がりのマギーBを久々に開いてみたのでした。

これは おねがいが かなった おはなしです。

あーなんてウットリするような書き出し! 物語の最初にいきなりこの1行が飛び込んでくるんですよ。ホントに堪らないです。これはもう内田莉莎子さんの訳の素晴らしさとも言えます。まるでオルゴールの蓋を開けたような煌びやかな始まり方。あとはもう、ハースの魔法に従って夢の航海に連れ出して貰うのみ。たとえ途中で嵐が来ようとも、それすら期待の内です。

ハースの絵本の何が素晴らしいって、やっぱり「絵」に尽きますよね。スモーキーな水彩画で細部までロマンティックな小物が描き込まれ、とにかく愛らしい。絵本好きな女の子でハースの絵が苦手って人は滅多に(ほとんど?)いないんじゃないでしょうか。表情豊かな子ども達の柔らかい仕草がまるで音楽を奏でるように読み手に語りかけてきます。江國香織さんじゃないけれど、いったんこの絵本を開くと、閉じるのがせつなくなります。

ハースには関係ないのですが、船の上にミカンの木を植えていたり、サウスバードに似た九官鳥が描かれていたりと、もしかして『ワンピース』を描くにあたって尾田っちはこの絵本を見たのかな?などとちょっと想像してしまいました。

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